ふたつの鼓動
第2章 1ヶ月ぶりの
その時だった、
「......ずいぶんとにぎやかなお家に生まれはったんやなぁ、君もお1人ですかぃ?」
...ビクッッ!!!
いきなりかけられた声のほうと振り向くと
すぐ後ろの木の下に座っている男性が目に入った
その人は片方の膝だけを曲げて 体育座りを崩したような体勢で腰掛けてこちらを見ていた
「..................」
なんだナンパか...
顔はよく見えなかったがなにも答えずに目線を元に戻した
訛りが似ているから恐らくわたしと同じ地域の人だ
でも ナンパならさっき歩いていたときに嫌になるほど無視してきたし 関わる必要ないな...
すると、その人はまた話しかけてきた
「俺もこの街は初めてじゃきんのぅ...ようわからんで 歩き回って疲れちまったんでさ」
とっても寂しそうに その人はつぶやいた
なんだか寂しそうな彼の言葉がやけに共感出来て 彼のほうをもう一度振り返った
するとその人は ニコッとわらいながら
「大丈夫だよ。安心しろナンパじゃねぇきん」
うっ...気づかれてた...
彼はそう言って優しく微笑んだ
「でも女の1人歩きは危ないけ、気をつけろ」
ちょっと彼の顔が気になり 好奇心なのかなんなのかよくわからないものがわたしのことをその人の隣へと突き動かした
隣へと体を持っていき浴衣の裾を抑えながらわたしはその人の顔が見える位置にスッとしゃがみこんだ
なぜ、いつもなら冷静に判断するわたしがこんな行動をしたのか
あの時も今もよく覚えていない
ただわかるのは、どうしてそんなに寂しそうに彼が話しかけてきたのか...
共感したせいかわからないけど
どうしても気になったから
その人の真正面にしゃがみこみ顔をじっとみた
するとその人は 全体に???とゆう顔をして
わたしをみつめた