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校えっち(校閲)ガール

第2章 桐生悠人の事情①

「あ……俺ちょっと無理かも」

根っからの高所恐怖症だといえよう。

「……」

日向未央に至っては声も出ないほどらしい。

繋いだ手は震えていて
手汗もハンパない。

「ごめん。戻ろうか」
「……だ……大丈夫です……な……慣れなきゃ」

声まで震えている。

「でも、こんなに震えてるし」

俺の手を強くギュッと握り返した。

「な……慣れなきゃ……と……と……東京に」

それからしばらくの間
手を繋ぎ無言の状態で外を眺めた。

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