兄達に抱かれる夜
第5章 毎日日替りであの子達と過ごして貰いますよ?
お母様が使用人に命じて、あたしの部屋に夕飯が運ばれた。
台車の上に並んでいる、完璧な夕食、ほんのりとした暖かい匂い、いつもは楽しく皆で夕食を囲む事もあったけれど、あの無邪気だった日々はもう戻って来ないかもしれない。
夕食に手をつけずに、自分の部屋のベッドの中に潜り込む。
明日は、そうだ、学校へはちゃんと行ってみよう、たまにはクラスメイトとカラオケに行ってもいいかもしれない、気分転換にもなるだろうし。
どうせ、夜には兄様と過ごすのだから。
少しくらいの自由、いいんじゃないかな?
明日。
きっと、順番で行くと、康兄様だ…………。
布団の中で、そっと、目を閉じた。
コンコン、あたしの部屋のドアが、遠慮がちにノックされた。
誰にも会いたくないから、聞こえないフリをして、ベッドの上で布団にくるまる。
「……………恵麻?」
艶やかな掠れたような、低い声が聞こえて、ビクリとする。
康兄様の声だ、息を潜めて寝返りをうち、ドアから背中を向けるけど、お母様が部屋に来てから、鍵をかけてない事に気付いた。
お願いだから、このまま、この部屋に入って来ないで欲しい、あたしの願いは届かずに、ドアが開く気配、静かな足音があたしのベッドへと近付く。
康兄様の微かな、香水の香りがして、いつか、あたしが素敵な香りだと、言っていた事を思い出した。
「…………恵麻、ちゃんと夕食は食べたほうがいい、朝から何も食べてないそうじゃないか?
…………体、そんなにきついのか?」
体は正直、きつい。
体中が痛くて重くて、あたしの体じゃないみたいで、あたしのあそこの中に、まだ、ナニかが入っているような、そんな感覚が抜けない。
思い出してしまって、体が震えるのに、何故だか、あたしのあそこがきゅっと切なく甘く疼いた。
「………恵麻、怒っているのか、無理矢理あの部屋に連れて行った俺の事を、許せない?」
空気が動く気配がして、布団の上から、優しく抱き締められているんだと気付いて、ギュッと目を閉じた。
康兄様の暖かい体温に、体が熱くなって、ドキドキした。
「………恵麻、頼むから、顔を見せてくれ、どうか、俺を許してくれ……お前に嫌われるのは、