神々の性
第1章 我の御霊を宿せ、人間よ。
あたしは秋山家の長女 秋山 七草。
ななくさって名前が嫌いで通称はナナって呼ばれてる。
家に代々伝わる『印』ってやつがあたしの鎖骨んとこに出ちゃったおかげで、
七草って名前を背負う運命を生まれたときに決められた。
「ナナちゃんナナちゃんっ」
ちっちゃい手であたしのエプロンをぐいぐい引っ張る妹の薺(なずな)
「どうしたの?もう少しでだし巻きできるから待っててねナズ」
「ちがーのっナゥちゃんねっひろったっ!」
「ひろった??なにを?」
「ニャーちゃんっ!」
「.........へッーーー??!!!」
驚いてすぐさま火を消してナズについていった
「...ミャァ.....ンミィッ.....」
「.........まじか...」
畳の間が続く一番奥の部屋 大きな窓の外の縁側に置いてあるダンボールから顔をピョコっとのぞかせて鳴いている子猫がいた
「どこでひろったの?」
ダンボールから優しく抱き上げてノドをなでてやるとゴロゴロと鳴らした
「えとねっ...千鳥川の橋の下っ!」
「...なんとまあベタなとこで.....」
まあ拾ってきちゃったもんはしゃーないし
ばあ様にかけ合ってみるか...