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愛してるのに,愛せない(続)

第2章 傷

((西島side))






実「千晃が遥先輩に呼ばれて付いていった後から帰ってこないの…」





宇野がそう話したとき,誰もが最悪の結末を想像した





部活の練習は他の部員に預けて,6人ばらばらになって探しはじめた





学校の敷地はとても広く,死角になるような場所はたくさんあった





どこを探しても千晃は見つからない







電話も繋がらなかった






((千晃…どこにいるんだよ……))







さすがに疲れてしまい,校舎の階段に座り込む







千晃が居そうな場所を考えていたときだった








«prrrrrrr…prrrrrrrrr»







ポケットのスマホから着信音が鳴った







画面には「実彩子」の文字







西「もしもし実彩子!?」


実「今,米田先輩と相澤先輩から電話があったの。千晃は体育館倉庫にいるみたい。」


西「わかった,すぐ行くから実彩子はそこでまってて」


実「…千晃レイプされてるみたいだった。電話越しに千晃の泣き叫ぶ声と少しの喘ぎ声,ローターの音がしたの。はやく千晃を助けたい。」


西「絶対だめだ!実彩子が今行ったら実彩子までヤられる。」


実「ごめん,行くね」





実彩子はそれだけ言って電話を切った







素早くメールを一斉送信して,体育館まで全力で駆け抜けると,メールを読んだみんなも着いていた







みんなの表情は怒りや焦り,不安に満ちていた

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