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愛してるのに,愛せない(続)

第2章 傷

((実彩子side))







目の前で大好きな千晃が襲われて






それなのに何もできない自分が悔しくて







全ては私のせいだった







辛いのは千晃なのに,泣いている自分にも腹が立つ







與「宇野ちゃん,辛かったな?」

宇「…………っ………」

與「ちあちゃん守れなくて,悔しかったな?」

宇「………………」

與「宇野ちゃん,涙拭いて,笑ってみ?」



突然「笑って」なんて言うからとても驚いたけど,今の自分にできるかぎりの笑顔を作った



與「ほら,べっぴんさんや!」

宇「え………?」

與「宇野ちゃん,笑ってたほうがかわええで!千晃も,宇野ちゃんには笑っていてほしいって思ってるで?」

宇「そんなこと。…」

真「大丈夫。宇野ちゃんのせいやない。米田先輩たちが悪いんやもん。だから自分を責めんといて?」


真ちゃんは優しい


辛いとき,苦しいとき,痛みを分かち合ってくれる



宇「真ちゃん…ありがとう…」


真ちゃんは何も言わず,にこっと笑った

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