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愛してるのに,愛せない(続)

第3章 アシタノヒカリ

((日高side))





遥先輩が屋上に来た最大の理由を俺はわかっていた






半年ほど前のこと



3年の先輩が引退する前まで,遥先輩はマネージャーとして働いていた





遥「日高くん,部活おつかれさま!」

日「あざっす」

遥「ねえ,日高くん,ちょっといいかな」





突然部活中に,俺を呼び出したことがあった





遥「あの…さ…」

日「はい」

遥「私と…付き合ってくれない?」





突然の告白に驚いたけれど,そのころは既に千晃一筋だったため,答えは即答できた





日「すみません」

遥「もう少し考えてくれてもいいじゃん。」

日「ごめんなさい,遥先輩とはお付き合いできないです」

遥「なんでそんなに即答できるの?中身も見ずに見た目だけで選んでるの?」

日「違います」

遥「……千晃と宇野のどこがいいわけ」

日「…は?」

遥「5人そろって宇野と千晃といちゃいちゃしてさ,あの2人のどこがかわいいわけ。男ってほんとに信じらんない」



遥は突然,何かにとりつかれたかのよつに本音を口にし始めた



遥「日高はなんで千晃なの?なんで私じゃないの?あんなにバカで勉強もできなくて,運動もあめりできないあいつのどこがいいの?」

日「たしかに千晃はバカだし運動神経も悪いけれど,目の前のことに一生懸命で誰にでも優しい千晃に惹かれたんです。顔がいいとかなんでもできるとかそんな理由じゃなくて,1人の人が好きになったんです。伊藤千晃というただ1人の人が。」

遥「5人そろってそんなこと言うんだろうなあ〜。いい男だと思ったのに」




遥は,俺らならだれでもいい。
誰でもいいから付き合って、自分の株をあげようとしていた
それでも千晃や実彩子にぞっこんな俺らを木にしていたんだろう
千晃や実彩子を恨んでいたのだろう、憎んでいたんだろう
だからまた千晃に忠告をして、無理やり俺らと離れさせようとしたのだろう

そんな遥が許せなかった

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