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愛してるのに,愛せない(続)

第3章 アシタノヒカリ

((千晃side))





遥先輩たちの話を聞いてはじめて,レイプされた原因は自分にあったと気付かされた





そのせいで,自分の知らない間にだっちゃんやほかの人を傷つけていた





自分が傷つくよりもそれが一番許せなかった






考えた結果が,みんなと離れることだった






((私と離れても,悲しむ人なんていないよね…))







教室に戻ると、同じ中学だった育歩(ナルホ)と弥生(ヤヨイ)に声をかけられた



育「あれ千晃,実彩子ちゃんたちと一緒じゃないの?」

千「あ,うん…」

弥「どうした?なんかあった?」

千「みんなと離れるって言っちゃった…」

弥「え!?それまたどうしたのさ…」




さすがにレイプされたことは話せなかったが,だいたいのことを2人に話した



育「なるほどねぇ〜〜」

弥「じゃあ千晃,みんなのとこに戻れるようになるまで一緒にいよっか!」

千「いい…の…?」

弥「あったりまえだよ!」

育「まあでも,あの6人ならすぐにでも千晃を迎えに来ると思うよ?」

千「…え?」

育「6人は千晃のことすっごく大切にしてるもん!」

弥「千晃が思ってる以上に,いい人たちだよ!」

千「なるちゃん…やよい…ありがとう…」






放課後



校庭もぐちゃぐちゃになるほど雨が降りしきっていた


((サイアク…傘持ってきてない…))


きっと部活はないだろうと思い,走って家へ帰った







いつもはみんなと歩く道を1人で歩く



みんなと喋りながら立ち寄る駄菓子屋の前を素通りする



聞こえてくるのは,雨が地面を打ち付ける音と自分の足音のたった2つ



気づけばその寂しさで号泣していた



家に帰って,濡れた服だけ着替えてベッドに飛び込んだ

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