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愛してるのに,愛せない(続)

第3章 アシタノヒカリ

((日高side))



次の日からはまた,目の前に迫る試合に向けての最終調整に取りかかっていた



日「試合前日だからゲーム形式!実彩子,細かい記録頼んだ」


実「了解ですっ」





全国大会にも繋がる大切な試合



この機会を逃せばチャンスはやってこないかもしれない



そんな緊張から上手く自分のプレーができなくなる




秀「ストップストップ!!」


副部長である秀太がゲーム練を止めた




秀「日高どうした?全然いつものプレーできなくなってるけど」

與「ちょっと休んだ方がええんちゃう?」

日「そ…うだな…。少し休憩入れよう…」

千「今日はりんごも持ってきたよ〜!たくさん食べて3日後は絶好調になるように!」

西「お!りんごか!」






休憩が終わっても調子は上がらず,やればやるほどできなくなるばかりだった





それは次の日の部活でも同じだった





シュートどころかパスまでも回せなくなってしまう



西「日高…パスも回せないってどーゆーことだよ。しっかりしろよ。」




みんなに怒られるのも当たり前だ




日「ごめん…」

浦「なあ日高…もしかして…スランプか?」





スランプ




ずっとサッカーを続けてきて,これまで1度も経験したことが無かった




與「日高,考えすぎたらアカンで。俺も経験したことあんねん」

秀「日高,今日は座って少し休んでおいたほうがいいかと思う。やればやるほどできなくなって当たり前だ。まだ時間はあるから。」


日「…わかった。ちょっと休むわ。」





チームみんなが一つの目標に向かっている中,みんなを引っ張らないといけないエースである自分がこんな状態になってしまった




悔しさと罪悪感で泣きそうになり,何度も顔を洗った




((くそっ……なんでだよ……))





部室のベンチでうなだれていると,千晃が入ってきた

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