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愛してるのに,愛せない(続)

第1章 スキマ(続きから)

秀太side





千「このまえ真ちゃんがね…」





千「それでそのとき宇野ちゃんが、…」





千「でも真ちゃんが…」





今までは何度も何度も,千晃の話の中に真司郎や宇野がでてきた





でも今日は1度も2人の名前が出て来なかった





千「リーダーたち,楽しそうだね(笑)」





千晃の視線の先を見ると,噴水広場でチャンバラをして遊ぶ4人がいた





秀「高校生にもなってなにしてるんだか
W」





千晃の目はどこか寂しそうだった





千「…私って,ほんとに馬鹿だよね(笑) 宇野ちゃんと真ちゃんと,あんなに近いところにいたのに全然気づかなかったんだもん(笑) 2人はすごくお似合いだし,ちゃんと応援しようと思ってるの!」





無理して笑う姿を見て,思わず千晃を抱きしめた





千「え,秀ちゃん…?どうしたの…??」





秀「千晃…好きだよ」





千「私も秀ちゃんのこと好きだよ…??」





その言葉が俺の胸をぎゅっと締め上げた





抱きしめる腕の力が強くなる





秀「そうじゃないんだ」





千「秀ちゃん,変だよ…?熱でもあるの…?」





秀「…無理して笑わないで。俺は,千晃に心の底から笑っていてほしいの。
これから先ずーっと,千晃だけを見ていたい。死ぬまでずっと千晃のそばにいたい。千晃を1人の女性として好きなの。」





千「……」





秀「返事は,また後で聞かせてほしいな」





千「…わかった。嬉しい,ありがとう」





秀「こちらこそ聞いてくれてありがとう」





抱きしめていた腕を離すと,千晃は少し頬を赤くして笑っていた

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