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大型犬との夏波乱

第4章 ~文彦の魔の手~

大喜君は、僕の肩にもたれながら続ける。

「もしも、俺が小太郎さんに同居のお願いをしなければ、小太郎さんが巻き込まれる事も、借金取り達から暴力振るわれる事もなく、俺のために使ってきたお金を別の事に使えたのになって……。」

「もう、大喜君がそういう事を考えなくて良いんだよ」

片方の手で、大喜君の頭を撫でる。

「大喜君を匿った事も、代わりに借金返済したのも僕が好きでした事なんだから」

信号が赤になり、車を停止させた。

「それに、巻き込まれた事も借金取り達から暴力受けた事も」

大喜君の頭を掴み、僕の顔へ向かせる。

「大好きな大喜君と、一緒に暮らせるための代償と思えば安いもんさ♪」

「小太郎さん……う…うぅぅっ…。」

涙を流し、泣き始める大喜君。

「泣かないでよ~
大喜君の悲しい顔、僕は見たくないよ」

「すみません…。」

「僕は、元気で明るい大喜君の顔が見たいんだよ」

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