テキストサイズ

Baby love

第9章 不器用な恋の行方。




プロポーズはスーツだろう。



朝からスーツで現れた俺にメイクさんは驚いたけど、
「気合いを入れてくれ」と頼むとがっつりセットをしてくれた。



・・・ちょっと派手じゃないか?



鏡を見て何か違うと思ったが、スタッフ数人がカッコ良いと絶賛してくれたので良しとした。



急いで用意したから、指輪のデザインを潤が気に入ってくれるか不安だけど・・・
また改めて作り直したって良い。



準備万端で楽屋で待機していると、智くんと雅紀が入ってきた。
俺を見て目が点になっている。
続けて入ってきたニノと潤も同様。



あれ、みんな引いてる??



立ち上がると、身構えるように一歩下がった皆を見て心が折れそうになったけど・・・



漢 櫻井、ビシッとキメなければならない。



膝まづくと、潤が大きく目を見開く。
バカだってお前は怒るかもしれないけど、俺は本気だよ。
お前をみすみす逃がすなんて考えられない。



M「ふざけんな・・・」



ボロボロに泣いて震える潤が、たまらなく愛おしい。



M「バカじゃないの?」



S「ゴメン。」



M「・・・なにその指輪。」



S「気に入らないか?」



受け取ってもらえない指輪は、箱に入ったまま床に転がっている。



M「気に入らないよ!そんなの要らない・・・っ。」



S「潤・・・」



M「翔くんちょっと落ち着いてよ・・・
冷静になれよ・・・
俺がどんな想いで・・・」



こんなに泣いている潤を見るのは初めてだ。



S「お前が色んな事考えてくれてるのは分かる。
俺らが一緒にいるのはデメリットの方が多いと思う・・・
お前と俺の性格を考えても、こんな恋愛を選ぶべきじゃないのかもしれない。」



M「・・・そうだよ。分かってるんだったら何で!」



S「俺だって考えたんだよ。
体裁も、仕事の事も、将来の事も、両親の事も。
正直リスクしかないなと思った。」



潤もたくさん悩んだんだろ?
辛いよな、俺はすごく辛かった。
潤を好きでいるには、壁が多すぎるんだ。








ストーリーメニュー

TOPTOPへ