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Baby love

第9章 不器用な恋の行方。




S「でもさ・・・散々悩んでる途中で、どうでも良くなっちゃったんだ。」



M「え・・・?」



袖で涙を拭いながら、潤が俺を見る。
可愛いなお前は・・・
そっと頬に触れると潤の瞳が揺れた。
泣きすぎだよ、すべすべの頬が冷たくなってるじゃん。



S「お前さえ側にいてくれたら良い・・・
他の事なんか知らねぇよ。」



M「・・・何言ってんの。」



S「カッコ悪いよな。」



M「・・・翔くんらしくない。」



また涙が零れて、俺の指を濡らした。
震える声で潤が続ける。



M「どうでも良いって・・・仕事も?家族も?自分の将来も?
そんなの翔くんらしくないよ!」



S「これが俺だよ。」



M「・・・何で?俺なんか何もしれあげられないのに・・・」



両手で、潤の頬を包む。
真っ直ぐ、俺だけを見ててくれよ。



S「好きだから・・・」



潤が、辛そうに顔を歪める。
胸あたりの服をギュッと掴んで何かに耐えるように・・・



その手をそっと取って握った。
俺も潤も震えてる。



S「潤、好きだよ。隣に居てくれないと、俺ダメなんだ。」



M「・・・・・っ。」



ギュッと手を握り返してくれただけで、胸が熱くなる。



S「こんな情けない俺だけど、お前の為なら何だって出来る。
一生、お前を守って行くよ。」



M「・・・カッコつけんなよ・・・」



零れる涙を拭う事もせず、潤が俺を睨んだ。



M「だいたい、なんだよその格好。
ホストみたいな髪型して・・・
なんのコントだよ。」



え、ホスト?!
ウソだろそんな感じになってる?!



S「一生に一度のプロポーズだから・・・
気合い入れて来たんだけど。
変だったか・・・?」



M「プロポーズって・・・」



俺を睨んでいた潤が、俯いて頬を赤くする。






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