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Baby love

第19章 潤くんの大ピンチ。




M side



重い足取りでテーブルに料理を並べる。
チラリとお母さんを見るとソファに座ったままボンヤリとしていた。



・・・怒ってるのかな。




「・・・お見合い、先方から断られたの。」



M「・・・・・」



手の中のカップに視線を落としているお母さんは、誰に向けて喋っているのか・・・
独り言のように呟いた。



S「・・・悪い。」



「自分の運命の相手を探すって・・・
翔、あなたは違うんですって。
ちょっと変わったお嬢さんね。
面白くて良いコだったけれど。」



静かにカップを置いて、小さく息を吐いた。



「あなたにはもう居るの?
運命の相手。」



S「・・・ああ。」



「お付き合いしてるの?」



S「やっと、手に入れた。」



「・・・どんな人?」



S「・・・・・」



「良いじゃない、教えてよ。」



翔くんが、一瞬だけ俺を見た。



S「・・・キレイな人だよ。
見た目だけじゃない、心も凄くキレイなんだ。
真面目で純粋で努力家で・・・
ちょっと気が強いけど、涙もろくて優しくて料理上手で・・・
俺を好きだって言ってくれる、笑顔が可愛い人。」



「すごい惚気るわね。」



S「全部事実だ。」



・・・顔を上げられない。
だって、いま俺真っ赤だよ。



「そんな素敵な人が、本当に翔についてきてくれるのかしら。」



S「どういう意味だ!」



「良い?あなた子供っぽい頑固なとこあるんだから、
気を付けなさい。」



S「は?!」



「あと、甘えてワガママばっかり言ってると愛想尽かされるわよ。
自分の事はなるべく自分でしなさい。」



S「・・・はい。」




「運命の恋人だっていうなら、
何があっても守ってあげるのよ?」



S「覚悟してる。」



「・・・・・いつか、
ちゃんと紹介しなさい 。」



S「・・・ああ、必ず。」



スッと立ち上がったお母さんが、俺にカップを手渡す。



「大事なカップ、私が使っちゃダメね。」



M「え?いや・・・」











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