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Baby love

第3章 たぶん、恋をした。




S「ふふ、おやすみ。」



M「・・・・・・・。」



ほぼ裸の変態(俺)に無理やり抱きつかれてる潤が気の毒で仕方ない・・・
こりゃ嫌われるわ。



M「・・・おやすみ。」



なぜか大人しく腕の中におさまったままの潤。
そのまま、潤も眠ったようだった。



潤も飲んでたしな。
よほど俺の相手に疲れたんだろう・・・



ふわふわとした頭が徐々に鮮明になっていく。
ユックリと体を起こした俺は、重く痛む頭を抱えて愕然としていた。



S「全部思い出した・・・」



あの朝、寝室に入ってきた潤は、買い物に行くために俺を起こしに来たのかもしれない。
あんな事したのに、笑ってた。



それなのに、俺は・・・



S「最低だな・・・」



バカな事考えて混乱して、潤を怒らせた。



もう一度ちゃんと謝ろう。
会ってくれるか分からないけど、とりあえず連絡してみて・・・



S「・・・ん?」



どこだココ。
俺の寝室じゃない。



シンプルだけど洒落たインテリアが並んでいて、まるでモデルルームのようだ。



ハッとして自分の格好を確認する。
よかった。パンツ一丁じゃない。



S「ええ?!」



パンツ一丁では無いが、見たことないパジャマを着ていた。
紺色の上下の、前ボタンが着いた品の良さそうなパジャマ。
普段パジャマ代わりにスウェットしか着ない俺は、固まった。



誰のパジャマだこれは・・・



恐る恐る寝室のドアを開けると、リビングから良い香りがする。



トントンと包丁の小気味良い音が聞こえてきて目眩がした。



どうしよう・・・
どこぞのお嬢さんの家にお持ち帰りされたのか?



記憶が無い!!
俺のバカバカバカ!!



学習能力というものが無いのか?!



これでもう完璧に潤に嫌われる・・・
弁解の余地が無い。



いや、今は潤の事よりも、やらかしてしまったお嬢さんの事だ・・・
謝って許してもらえるか分からないが・・・



覚悟を決めて、リビングのドアを開けた。






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