Baby love
第4章 近付けない。
潤の周辺をそれとなく探ってみたが、恋人の存在はハッキリしなかった。
前より飲み歩く回数が減ったらしく、良い人が出来たんだろうという噂も確かにあるみたいだが・・・
肝心の相手についてはサッパリだ。
相手も芸能人の可能性が高いよな・・・
女優か?モデルか?
潤がデートだと楽屋を出て行った日以来、潤とは会ってない。
随分会ってないような気になって数えてみたが、たった4日だった。
そうか。俺結構な頻度であいつ誘ってたんだな。
今までデートの邪魔になってたんだろうか・・・
そう考えると、誘いにくい。
断られるのが怖い。
・・・ヘタレって言われても良い。泣
「櫻井さん、聞いてます?」
S「へ?ああ、すみません。何ですか?」
飲み会中だったのを忘れて、また考え事をしていた。
「“へ?”だって、可愛い♡」
ん?誰だこの子。
隣に見知らない女の子が座っている。
「すみません、可愛いだなんて・・・気を悪くさせちゃいました?」
S「いや、全然・・・えっと?」
「この子、嵐のファンなんですよ!良かったなぁ、こんな近くで話せて!」
近くのスタッフが会話に入ってきて、その子の背中をグッと押す。
バランスを崩したので慌てて受け止めた。
「・・・あ、すみません・・・」
真っ赤になって、バッと離れたので、つい笑ってしまった。
S「ふふ・・・いえ、嵐のファンなの?」
「はい、いつも応援してます。」
S「嬉しいな、ありがとう。」
ファンだと言ってくれる人と、実際に話せる機会はそれほど多くない。
素直に嬉しいものだ。
義理で参加した仕事の飲み会で退屈していた俺は、しばらくその子と談笑していた。
あと1杯飲んだら、適用な理由をつけて帰ろう・・・
貸し切りの広いフロアの中に、潤もいたなんて全く気付いていなかった。