はじまりのyama
第1章 気持ち
~智の場合~
おいらにはずっと好きな人がいる。
頭が良くって昔はちょっと尖ってて、今ではちょっとヘタレとか言われてるけど男前なの。
すげー綺麗な顔してんのに、全然認めねぇの。
なんでなんだろ?
しょおくん・・・しょおくん・・・
名前を呼ぶだけで、カラダが熱くなるんだ。
なのに、しょおくんってばなんにも気付いてくれないんだよね。
おいらの気持ちに。
しょおくんは、おいらをよく見てる。
その前に、おいらの方からしょおくんのこと、見てるんだけどね。
澄んだ瞳で、温かくって優しい視線をくれるから、なんか言ってくれんのかな?って期待するけど、なんにも言わない。
ジーッと見てるだけで、なんにも言ってくれない。
おいら、もう我慢できなくて言っちゃった。
「しょおくん?おいらに用があるんじゃないの?」
それでも結局、モゴモゴしちゃって言わねぇの。
しょうがない。
ちょっと仕掛けてやろっか?
しょおくんが、どう思うかわかんないけど試してみる。
ヤキモチなんかを妬いてくれると嬉しいんだけど。
いつものことではあるけど、にのといっぱいくっついてやった。
そしたらアイツ、想定外のチューまでしてきやがった。
そこまでしろとは…ったく、にののバカ!
で、しょおくんの反応は・・・
なんか急に立ち上がって、おっかない顔してる。
ヤバイ・・・やり過ぎたか・・・?
怒らせたかな・・・?
どーしよ・・・・・!?
優しくした方がいいかな・・・?
ん・・・そりゃそうだよな。