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FRIENDs -ars短編集-

第3章 イタズラ M×N

Nサイド


「じゅんく、っん、はぁっ…じゅ、んっ…」


何度も、何度も。
恋人の名前を呼ぶ。

でも返事してくれない。

それが辛くて、目を覆っている布は
だんだんと濡れていった。


「ぃやぁっ、じゅんく…ああっ、んあっ」


身体全体をガクガクと震わせ
何度目かの熱をまた吐き出した。

お腹の上は完全に濡れていて
もう出すものもなくなってきた。


「っふ、はぁ、っく…ぃ…ぁ…」


声も枯れ始めていて、
体力も限界が近づいて。

もう、ずっと同じように振動する玩具に
違和感さえも感じない。


ガチャ…


…潤くんっ!


意識も朦朧としている時、近くでドアの
開く音が聞こえ意識がはっきりしてくる。


「…和。」


大好きな人が自分を呼ぶ声が聞こえ
また目の辺りがじんわりと濡れてくる。


大好きな潤くんに触れたい。
触れてもらいたい。
抱かれたい。求められたい。


色んな欲望が俺の中を支配する。


なのに、俺は手を伸ばすことさえ出来ない。


「じゅん、くんっ…ひっ、く…っ、はぁ」


その時確かに、潤くんの手であろうものが
頬をゆっくりと撫でた。


あったかかった。


ずっと感じている冷たい機械なんかじゃない。


やっと人の温もりを感じることが出来た。


それだけで、胸の中がいっぱいになって。
でも、身体はどうしても反応してしまって、
今でもビクビクと動き続ける。


「あ、んっ…じゅんくっ、とっ、て…っは…」

「うん…ごめんね、辛かったよね。」


何故か謝ってから、ナカからズルリと
今まで埋まっていたものが抜けた。

やっと力が緩まり、疲れきった身体を
回復させるよう荒い呼吸を続ける。


「な、んで…っはぁ、謝るの…っふ…はぁ 」


俺がその荒い呼吸のまま問いかけると、
次は目隠ししていた布が外された。

ゆっくり目に光が入ってきて
見えたのは潤くんの泣き顔。


「なんで泣いてるの?!…っ、俺のせい…?」


俺がわがまま言ったから。
俺が1人でイっちゃったから。
俺がされるがままでいるから。

俺が…俺が…


「違うよ…?…和のせいなんかじゃない…
…っふ、はぁ…全部俺のせいなんだ。」

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