テキストサイズ

FRIENDs -ars短編集-

第3章 イタズラ M×N

Mサイド


「俺…最低だよな…

自分でやったくせに…っふ…勝手に…
…はぁ…俺みんなにヤキモチ妬いて…


最近和とヤっても満足できないんだよ。
もっともっと、心の内側まで全部欲しくて…

でも、和は相変わらず冷たいし…っふ…
和がそういう性格だって、わかってるよ。
でも、本当はもう俺のこと嫌いなのかも
なんて考えちゃうんだ。


だから和の全部…っ俺のものにしたかった…
縛り付けても何も変わらないのに…っごめ…」


自分でも何を言っているかわからないまま
思ったことを全部和にぶつけた。

そしたら和は笑って言うんだよ。


「うん、わかった…わかったから、ね?
ていうかこれ、解いてよ、ふふ」


って、さっきまで泣いてたはずの顔で
優しく言うんだ。

まだ目が赤いままで言うんだよ。

こんな情けなくて、頼りない俺の
相手してくれんだよ…


そんな和にまた視界がぼやけて
和の頬に涙が落ちる。

俺は和を縛っている紐を解いた。

ずっと縛られていたそこは、
真っ赤に跡がついていて。


「ごめっ、跡ついちゃった…っ…」


そう言って謝るけど、俺の心の中は
全部真っ青で、罪悪感で埋まっていた。

和もついには涙を流して、
自由になった手で俺の涙を拭うと
俺を引き寄せて抱き締めた。


裸のままだからか、いつもより感じる
肌の温かさに涙が溢れて止まらなくて。

和を強く抱き締めてその温もりを
1秒1秒噛みしめる。


「ねぇ、潤くん…」


抱き締めたまま耳元で和が俺を呼ぶ。

和が俺の名前を呼んでるってことだけで
付き合い始めの頃のようにドキッとして。


「…何?」


頑張って出したその声は震えていた。

和は抱き締める腕に更に力を入れ
耳元に口を近づける。




「潤くん…俺を、抱いて…?」


さっきよりも近い位置で呟かれ、
身体全部が和で染まった。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ