FRIENDs -ars短編集-
第4章 ここにおいで A×M
Mサイド
父さんは、俺が仕事を失うことがわかって
忠告しに来たんじゃないと、今頃思い知った。
だって俺はやってしまった。
貯金していたお金も底をついて、
いよいよ食料まで買えなくなって。
家賃も払えなくて。
俺はいわゆるホームレス状態だった。
ろくに食べてなくて腹ぺこで、
そんなとき漂ってきた
美味しそうな血の匂い。
人間の血なんて久しぶりな俺は
その匂いを辿った。
そこには怪我をしている女性がいた。
広がる真っ赤な血に、全身がぞくぞくして。
ごくりと喉を鳴らした。
ここで、救急車を呼べばよかった。
でも、空腹の限界だった俺は
まだ息のあるその人の腕を
カプッと噛み、その血を堪能した。
気付けばその人は蒼白く
ぐったりしていて、殺してしまったと気付く。
人間を殺してしまったという罪悪感。
いや、恐怖から、一応空を飛べる俺は
その人を抱えて空へ。
着いたのは山奥で、そこにその人を埋めた。
俺がやったことは完全に犯罪だ。
父さんはこのことがわかっていたのかな…
大人しく帰ってれば、こんなことには…
俺は、人間を殺したという重圧にやられて
その山の中で、せっかく飲んだ血を
全て吐いてしまった。
嘔吐物もすべて真っ赤だった。
もちろん、肉は買えないし。
また空腹に襲われる。
街をふらふら歩いて、ついには体力も限界で。
路地裏に入って座り込んだ。
もう、いっそここで死のう。
死んで罪を償おう。
もう、意識が遠のいた時だった。
「あ、あの…大丈夫ですか…?」
そう声をかけられ、
またこっちに意識が戻ってくる。
あ、人間だ。
そう思ったら、さっきの血の味。
美味しさを思い出してしまって、
俺はその人を壁に押し付けた。
「…っ腹減った。」
その首筋に躊躇なく噛み付いた。
父さんは、俺が仕事を失うことがわかって
忠告しに来たんじゃないと、今頃思い知った。
だって俺はやってしまった。
貯金していたお金も底をついて、
いよいよ食料まで買えなくなって。
家賃も払えなくて。
俺はいわゆるホームレス状態だった。
ろくに食べてなくて腹ぺこで、
そんなとき漂ってきた
美味しそうな血の匂い。
人間の血なんて久しぶりな俺は
その匂いを辿った。
そこには怪我をしている女性がいた。
広がる真っ赤な血に、全身がぞくぞくして。
ごくりと喉を鳴らした。
ここで、救急車を呼べばよかった。
でも、空腹の限界だった俺は
まだ息のあるその人の腕を
カプッと噛み、その血を堪能した。
気付けばその人は蒼白く
ぐったりしていて、殺してしまったと気付く。
人間を殺してしまったという罪悪感。
いや、恐怖から、一応空を飛べる俺は
その人を抱えて空へ。
着いたのは山奥で、そこにその人を埋めた。
俺がやったことは完全に犯罪だ。
父さんはこのことがわかっていたのかな…
大人しく帰ってれば、こんなことには…
俺は、人間を殺したという重圧にやられて
その山の中で、せっかく飲んだ血を
全て吐いてしまった。
嘔吐物もすべて真っ赤だった。
もちろん、肉は買えないし。
また空腹に襲われる。
街をふらふら歩いて、ついには体力も限界で。
路地裏に入って座り込んだ。
もう、いっそここで死のう。
死んで罪を償おう。
もう、意識が遠のいた時だった。
「あ、あの…大丈夫ですか…?」
そう声をかけられ、
またこっちに意識が戻ってくる。
あ、人間だ。
そう思ったら、さっきの血の味。
美味しさを思い出してしまって、
俺はその人を壁に押し付けた。
「…っ腹減った。」
その首筋に躊躇なく噛み付いた。