FRIENDs -ars短編集-
第4章 ここにおいで A×M
Aサイド
不愉快なまま朝を迎えた。
「…気分わりぃなぁ…ふ、はぁ…」
大きなあくびをし、
俺は朝ご飯にパンを焼いた。
…あれ、焦げてる…
めったに焦がすことなんてないのに。
それもこれも、あいつのせいだ。
俺はテンションが上がらないまま
考えるのはあいつのことばっかり。
って言っても、
かっこよかったなとかじゃなく。
血糊だったのかなケチャップだったのかなとか
あのまま家に帰ったのかなとか
冷やかすのは楽しくてやってるのかなとか
そんなことばっかり。
「はぁ…俺もバカだな。」
そう独り言を漏らし、今日も先輩に挨拶する。
よし…!気合い入れていくか!
俺は体の前でエプロンの紐をキュッとくくり
材料を用意し、準備に取りかかった。
扉にかかったプレートを“close”にし、
片付けもパパッと終わらせる。
「今日はやけに片付けが早いな。
…彼女?」
大野さんはニヤニヤしながら
小指を立て俺に向ける。
「いや…別に…」
ただ、昨日みたいに
冷やかしにあいたくないだけ。
いや、昨日は少し遅かったから
普通のペースでも大丈夫なのか…
今日も同じ道を歩き、
昨日の路地裏が近づいてきた。
そっと足音を忍ばせて
その狭い道を覗く。
路地裏は昨日よりも暗く、しんとしていた。
…何だよ。誰もいないんじゃん。
俺は軽くため息をついた。
安心する一方、少し残念にしている自分がいた。
心の隅からもやもやが消えないまま歩いていると
前に酔っぱらっているのか
男の人がフラフラしながら歩いていた。
うわ…大丈夫かな…
その瞬間、その人がフッと地面に倒れ込んだ。
俺は思わず駆け寄って声をかけた。
「だ、大丈夫ですか…!?
…あ。」
慌てて上半身を起こすと、
それは昨日のあいつだった。
なんだよ…家帰ってなかったのか…?
そいつの顔は昨日のように蒼白く、
じっとしていると血の気が引いていく。
放っていくわけにはいかない…
覚悟を決めて、そいつを背中に抱え
やっとの思いで家に帰ってきた。
不愉快なまま朝を迎えた。
「…気分わりぃなぁ…ふ、はぁ…」
大きなあくびをし、
俺は朝ご飯にパンを焼いた。
…あれ、焦げてる…
めったに焦がすことなんてないのに。
それもこれも、あいつのせいだ。
俺はテンションが上がらないまま
考えるのはあいつのことばっかり。
って言っても、
かっこよかったなとかじゃなく。
血糊だったのかなケチャップだったのかなとか
あのまま家に帰ったのかなとか
冷やかすのは楽しくてやってるのかなとか
そんなことばっかり。
「はぁ…俺もバカだな。」
そう独り言を漏らし、今日も先輩に挨拶する。
よし…!気合い入れていくか!
俺は体の前でエプロンの紐をキュッとくくり
材料を用意し、準備に取りかかった。
扉にかかったプレートを“close”にし、
片付けもパパッと終わらせる。
「今日はやけに片付けが早いな。
…彼女?」
大野さんはニヤニヤしながら
小指を立て俺に向ける。
「いや…別に…」
ただ、昨日みたいに
冷やかしにあいたくないだけ。
いや、昨日は少し遅かったから
普通のペースでも大丈夫なのか…
今日も同じ道を歩き、
昨日の路地裏が近づいてきた。
そっと足音を忍ばせて
その狭い道を覗く。
路地裏は昨日よりも暗く、しんとしていた。
…何だよ。誰もいないんじゃん。
俺は軽くため息をついた。
安心する一方、少し残念にしている自分がいた。
心の隅からもやもやが消えないまま歩いていると
前に酔っぱらっているのか
男の人がフラフラしながら歩いていた。
うわ…大丈夫かな…
その瞬間、その人がフッと地面に倒れ込んだ。
俺は思わず駆け寄って声をかけた。
「だ、大丈夫ですか…!?
…あ。」
慌てて上半身を起こすと、
それは昨日のあいつだった。
なんだよ…家帰ってなかったのか…?
そいつの顔は昨日のように蒼白く、
じっとしていると血の気が引いていく。
放っていくわけにはいかない…
覚悟を決めて、そいつを背中に抱え
やっとの思いで家に帰ってきた。