FRIENDs -ars短編集-
第4章 ここにおいで A×M
Mサイド
「ん…」
目の中に光が入ってきて
視界がはっきりとする。
どこか見覚えのある部屋。
起き上がる時、ベッドの端に
そいつが寝てるのに気づいた。
おでこについていた冷えピタは
もうすっかり熱くなっていて。
でも熱はなさそうだった。
俺は立ち上がって冷えピタをゴミ箱に捨てた。
あ、ちょっとフラフラとするかも。
少し気だるさを感じながらも
勝手にグラスを出して水を飲む。
「…起きてたんだ。もう大丈夫?」
後ろから急に喋りかけられて
肩がビクッと動く。
何…その優しい声。
俺、あんた襲ったんだよ?
昨日は怒って追い出したじゃん。
「お前…怖くないの…?
俺吸血鬼なんだよ?まだ信じてない…?」
俺がそう聞くと何故かそいつは、ふっと笑った。
「信じてるよ…だって、牙。あるじゃん。
あ、ごめんね。見ちゃった…」
は?なのになんで…
前に人間に吸血鬼だって明かした時は
ものすごく怖がられて、そいつの記憶を消して。
それからは誰にも打ち明けずにいた。
また怖がられたら、
また記憶を消そうと思ってたのに。
「おかしいよ…普通怯えるよ?
ってか、怯えてよ。じゃないと俺…」
また襲っちゃいそう…
でもその人は、続きを言わない俺を見て
ん?と首を傾げた。
「…なんでもねぇよ。」
襲ってしまう前に記憶を消しておかないと。
俺は一歩一歩そいつに近付いて
頭に手を乗せた。
やり方は昔に覚えた。
大きく開いた掌に、
星を書くようなイメージを膨らませ、
そのまま手を顔の方にずらして
ゆっくり目を閉じさせる。
そしたら少し、ふっと力を集中させる。
力が抜けて倒れ込んだそいつをベッドに。
俺は静かに部屋を出た。
自分がいた痕跡も残さないように。
「ん…」
目の中に光が入ってきて
視界がはっきりとする。
どこか見覚えのある部屋。
起き上がる時、ベッドの端に
そいつが寝てるのに気づいた。
おでこについていた冷えピタは
もうすっかり熱くなっていて。
でも熱はなさそうだった。
俺は立ち上がって冷えピタをゴミ箱に捨てた。
あ、ちょっとフラフラとするかも。
少し気だるさを感じながらも
勝手にグラスを出して水を飲む。
「…起きてたんだ。もう大丈夫?」
後ろから急に喋りかけられて
肩がビクッと動く。
何…その優しい声。
俺、あんた襲ったんだよ?
昨日は怒って追い出したじゃん。
「お前…怖くないの…?
俺吸血鬼なんだよ?まだ信じてない…?」
俺がそう聞くと何故かそいつは、ふっと笑った。
「信じてるよ…だって、牙。あるじゃん。
あ、ごめんね。見ちゃった…」
は?なのになんで…
前に人間に吸血鬼だって明かした時は
ものすごく怖がられて、そいつの記憶を消して。
それからは誰にも打ち明けずにいた。
また怖がられたら、
また記憶を消そうと思ってたのに。
「おかしいよ…普通怯えるよ?
ってか、怯えてよ。じゃないと俺…」
また襲っちゃいそう…
でもその人は、続きを言わない俺を見て
ん?と首を傾げた。
「…なんでもねぇよ。」
襲ってしまう前に記憶を消しておかないと。
俺は一歩一歩そいつに近付いて
頭に手を乗せた。
やり方は昔に覚えた。
大きく開いた掌に、
星を書くようなイメージを膨らませ、
そのまま手を顔の方にずらして
ゆっくり目を閉じさせる。
そしたら少し、ふっと力を集中させる。
力が抜けて倒れ込んだそいつをベッドに。
俺は静かに部屋を出た。
自分がいた痕跡も残さないように。