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FRIENDs -ars短編集-

第5章 ハチミツを添えて A×N

Nサイド


やっぱりまだ手を繋いだまま、
俺たちはエレベーターに乗り込む。

扉が閉まり、2人きりの空間。


突然目の前が暗くなり、唇に当たる
温かい感触でキスされていることに気付いた。


「ちょ、待って…こんなとこで…っ…ん」


2人だけだとしても、監視カメラくらいはある。

でもまさきは気にせずに、
キスは更に深くなっていく。

俺はまさきの服を掴む。


「っん…はぁっ…まさきっ…」


エレベーターの着いたことを知らせる音に、
どちらからともなく唇を離す。




また自然と手を繋ぎ部屋に入る。

ドアを閉め鍵をかけた音が聞こえたと同時に、
俺は壁に押し付けられ荒々しくキスされる。


「っあ…んん、まさきっ…」


最初は少し抵抗した俺も、
いつの間にかされるがままで。


かばんはとっくに床に転がっていた。

足だけで器用に靴を脱ぐと
まさきは俺の肩を抱き、寝室へ入る。


そのままベッドに押し倒された俺は、
まさきの瞳をじっと見つめる。


「…かず…?」
「…ん?」
「どこ触られた?全部俺が消毒してあげるから。
…どこ触られた?何された?」


全部…消毒してくれるの…?

…なら…


「全部。」
「え?」
「頭から脚の先まで。全部。
全部まさきでいっぱいにしてよ…」


俺は迷わずそう言った。


あんなやつに触られたことなんて
思い出したくもない。

だから、全部まさきの記憶で塗り替えてしまって
比べ物にならないくらいに、俺を愛して…


まさきは泣きながら笑い頷いた。


「わかった…全部、俺のもんね?」


細長い手が俺の頬を包む。

髪の毛に口付けて、瞼に、頬に、耳に。

上から順にキスを落としていく。


まさきのかけてくれた上着も脱がされ
Tシャツを捲りあげる。


「ん、…あっ、まさき…っ…」


首筋。鎖骨。そして胸へ。


本当に隙間もないくらい
くまなくキスしていく。


「っまさき、好きだよ…っ…ん…あ…」

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