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FRIENDs -ars短編集-

第6章 王子様とペット。 A×NM

Mサイド


俺は洗い物をしながら和と相葉くんを見る。


その2人には俺とは違う空気があって、
昔から一緒にいるから仲もいい。

未満都市の時に仲良くなった俺とは違う。



あれは、まだ事務所に入って間もないころ。

全然仕事のこともわかんなくて
右往左往していたころ。


事務所でキャーキャー言ってふざけてた
相葉くんの笑顔を見て一目惚れした。

その時はまだ、憧れだと思ってた。


その後、ドラマで一緒になって
それこそ運命だと思った。


4人で嵐でデビューするって決まったとき
そこに相葉くんはいなくて、少し悲しかった。


でもデビュー直前、突然相葉くんが入って
それを聞いた時胸がキュンとなって
何ともいえない気持ちになった。

あ、好きなんだって。
この人が好きなんだな、俺、って。

気付けた時は嬉しかった。


でもそこからが苦しかった。

男同士だから、あまり素直に
気持ちを伝えることもできない。


しかも宿敵の和がいた。
仲がよくていつも相葉くんと一緒にいた和。

どれだけ羨ましかったことか。


それは今でも一緒。


相葉くんは和にだけ接し方が違う気がする。

気がするだけなのかな…
だったら良いんだけど…


今も2人でいちゃいちゃして
相葉くんはたまにこっちを見る。


この洗い物終わったら、
俺もちゅーしてもらうからいいもん。


そう思ったとき、相葉くんが俺に手招きした。


でも、まだ洗い物が…


「洗い物なんて後でいいからっ!」


あの空気の中に俺は入れない。

そう思いながらも、相葉くんの優しい笑顔に
吸い込まれるかのように足を運んだ。


ギュッと抱きしめられ、温かい。


「2人とも大好きだよ♡♡♡」


その相葉くんの言葉に身体が火照る。

急に和が叫んだ。

相葉くんが怪我をしてるらしい。


こけて手で支えたって…
もう、危なっかしいんだから。


「まぁ、こんなの唾つけとけば治るよ。
ほら…唾つけてよ。」


相葉くんはそう言って和の目の前に
その手を差し出した。

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