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FRIENDs -ars短編集-

第6章 王子様とペット。 A×NM

Aサイド


カシャ…カシャ…


寝息しか聞こえないこの部屋で
いつも夜の秘密の撮影会が行われる。


今日は風呂を上がると2人は手を繋いでいた。

もー、ほんとに毎度毎度
どれだけ萌えさせれば気が済むの!?


「あー…かーわいい♡」


そう呟いて、またスマホを構える。


はぁ…
おかげで俺のフォルダはお前らばっかだよ。

とても人には見せられない。

誰にも秘密な俺だけの寝顔♡♡


全身と、上半身と、顔だけと、
潤だけと、和だけの写真は絶対。マスト。

それに追加で、少し服をはだけさせてみたり
なんて、変態呼ばわりされてもおかしくない。


「んん…」


和が身じろぎ、潤の手をギュッとして
前髪が顔にかかる。

この表情がまた堪らなくて
もう一度スマホをかざしてしまう。


今日だけで50枚は撮ったんじゃないかな…


「…ん」


は…!


潤が寝返りを打って和の方へ近づくと
もう1つの手も握られた手に重ねる。


これは見逃せない!と黙々と写真を撮る俺。


「ぃやぁ…かわいいなぁ…
でも、そろそろ寝なきゃ…」


俺は狭くなったベッドの端に
落ちそうになりながらも寝転ぶ。


これは絶対寝れないだろとは思ったけど
疲れていたのかすぐに寝れて
案の定ベッドから落ちてしまった。


「っ、いってぇ…」


思わずお前らな!と怒りそうになった。

でも気持ちよさそうに寝ているその寝顔を
見たら、怒る気にもなれなかった。


ていうか、改めて見るとこの2人…





…ちょっと嫉妬する。

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