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×××だけのプリンス

第2章 S&N+O 次の標的(ターゲット)

雑誌の撮影と謎解きはディナーのあとで
の番宣のための取材。


それをパパッと終わらせて
みんながいる楽屋へと向かった。


「おいーっす。」


と軽いノリで楽屋のドアを開ける。


「あ、翔ちゃん!」
「翔くん、おはよ!
…って時間でもないか(笑)」


そう返してくれるのは智くんと潤だけ。


智くんは俺が座ってすぐに、
俺の顔を触って遊んでいる。

でも、こののんきな智くんも
明日…いや、早ければ今夜にも、
俺のものになっている予定だ。


ふと、さっき声のしなかった2人を見ると
いつもとは違う視線を俺に送っていた。


雅紀は悲しそうに眉を下げて俺を見る。

ニノは、何か、嫉妬の目。
俺が智くんといるからだと思う。


でも、これはもう俺のものだから。
ニノに手渡すことは出来ない。

しかも、ニノだって昨日は俺を求めてた。


「兄さん、今日飲みに行こっか。」


そう誘ったのと同時に、視界の端で
ニノが立ち上がるのが見えた。


「ニノどこ行くの?」


そう聞いたのが智くんでも、ニノは冷たく、
トイレとだけ言って楽屋を出て行ってしまった。

智くんは、全くニノの想いに気付いてなくて
どうしたんだろうね?なんて俺に首を傾げる。


「そうだね…で、今日大丈夫?」
「え?あぁ…うん、大丈夫だよ。
あ、前言ってたところ行こうよ!個室のさ。」


それは、少し前。
雅紀とも関係を持つ前。

智くんと携帯を覗きながら、
いつか行こうって言ってた美味しい
カキフライがあるお店。

個室だって言っても、声は漏れるし
店員だって来るし、キスぐらいしか
出来ないだろうな…

きっと数時間後の智くんは、
昨日のニノみたいに酔っ払って
翔く〜ん、なんて…


「っふふ、翔くん気持ち悪いよ?」
「え?」
「ニヤけてる。」


智くんにそう言われ、
慌てて顔をペタペタ触る。

そんな俺を見て智くんと潤は声を上げて笑う。


「今日どうしたの?翔くん!なんか面白い(笑)」
「変なのー(笑)」


2人にからかわれる。

いつも盛り上げてくれる雅紀は、
もう何も言わないのかなと思っていた。


「ホントだよー翔ちゃん!」


でも、そう言ったのは雅紀だった。

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