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×××だけのプリンス

第3章 S&M ファイナルゲーム

「え…っ、なんで…」


ニノは心底残念そうな顔をして
息を少し荒くしながら問いかける。

俺は少し乱れた服を直し、
和の服もちゃんと下ろして上着を着せる。


「俺、このあと用事あるから。じゃ。」


和のソレが大きくなっているのは知っている
けど、俺は個室を出てマネージャーを呼ぶ。

マネージャーの車に乗り込み、
遠回りしてもらって自分の家に帰る。


雅紀はどうやって待ってるんだろう。

そんな期待を胸にドアを開けた。


「おかえり…」


雅紀はいたって普通の格好で
玄関に走ってくる。


「ただいま。」


何かあるのかと思って固まっていると
雅紀は首を傾げる。


「何してんの?早く。」


雅紀に急かされ俺は靴を脱いで中に入る。


リビングに入ると、漂ってくるいい匂い。

テーブルに、美味しそうなご飯が
ずらりと並べられていた。


「これ、雅紀が作ったの?」
「うん…食べる?それともお風呂?」


新婚の奥さんみたいな台詞を
恥ずかしがらずにさらっと言ってしまうから、
何か調子が狂う。


「食べるよ。冷めちゃうでしょ?」
「そっか。」


雅紀はそそくさと席に座って
いただきますと声を漏らし食べ始めた。

俺はコートと荷物を置いて
手を洗ってから席に座る。


「いただきます…」
「どーぞ。」


雅紀は、黙々とご飯を食べ続ける。

お茶碗を左手に持ち、
そこにあった煮物を口に入れる。


…美味しい。


声を発さない俺に雅紀は首を傾げる。


「美味し…?」


雅紀の瞳は俺を真っ直ぐに捉えていて、
思わずその綺麗さに吸い込まれそうになった。

俺が慌てて数回頷くと、
雅紀は途端に嬉しそうな顔をする。


「よかったぁ~、これ結構頑張ったんだよ?」
「そう、なんだ…」


もう一度、美味しいよ、と微笑むと
雅紀は嬉しそうにご飯を口に運ぶ。



で、雅紀はいつ淫艶になってくれるんだろう…

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