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×××だけのプリンス

第3章 S&M ファイナルゲーム

そのまま何事もなく時間は過ぎていき、
今雅紀は洗い物をしている。

俺はそれを横から覗く。


「な、なに…?洗いにくいよ…」


俺は、ごめん、なんて口先だけで謝って
雅紀の柔らかいお尻にトンと手をぶつけた。

雅紀もそれに気づいたらしく、
急に背筋がピンと伸びる。


「ちょ、翔ちゃん…」


雅紀は顔を真っ赤にしながら。
でも嬉しそうに手を止めて俺と目を合わせる。

その目を離さないまま、
もう既に唇と唇は触れ合っていた。


雅紀の身体を半回転させ、
キッチンの縁に押し付ける。


出ていた水を止めると
雅紀は俺の手をパッと掴んだ。

その手は冷たく、背筋がぞくっと震えた。


「こんなとこで…ダメだよ…
ね…ベッド、行こ…?」


俺はキッチンでしても全然よかったんだけど、
明日もお互い仕事があって、腰を痛めると
いけないからしょうがなく雅紀を抱えた。


寝室に入り、ベッドの上に雅紀を下ろす。


「ね…もう入れていいよ……欲しい。」


まだ何も手をつけてないのに
雅紀はそう言った。

冗談かとも思ったけど、雅紀の瞳は
いたって真剣そのものだった。


「そんなのしたら、雅紀が苦しいだけだよ?」


ローションがあると言っても、
それは滑りをよくするだけで
穴までは柔らかくならないと思う。


俺が心配して雅紀を見ると、
雅紀がゆっくりと口を開く。

その時、その一言が耳を貫いた。


「大丈夫。俺…自分で、解しといた…から…」


雅紀は顔を真っ赤にしながらも言い切って
俺を上目遣いで見上げる。

雅紀が先に帰った理由って、これだったのか…


でも、これだけ時間が経っていれば
解しといたとしても元に戻ってるんじゃ…

雅紀は俺が何を言い出すか不安なのか、
まだ俺を見つめている。


俺は雅紀の唇にキスを落とした。


「それ…もう一回、ここでして見せてよ。」


冷たい言葉を優しそうな声に乗せて放った。

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