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×××だけのプリンス

第3章 S&M ファイナルゲーム

「…雅紀?」


行為のあと、雅紀と一緒にお風呂に入った。

湯船に浸かって、脚の間に雅紀を座らせる。


「ん?何…?」


雅紀は首を半回転させて俺を見る。

俺は湯船から出ている雅紀の手に手を重ねる。


「雅紀はもう気づいてるかもしれないけど、
俺…ニノとも、智くんとも、シたんだ…」


雅紀はあからさまに悲しそうな顔をして
そのまま顔を前に向けた。

雅紀は黙ったまま湯船をじっと見つめている。


「ごめん…」


雅紀はまだ俯いたまま。

そんな雅紀にこの話をするのは、
少し心が痛んだけど、それでも口を開いた。


「俺は…雅紀ともシたかったよ?
…でも、そんな雅紀に手伝ってほしくて…」

「…何。」


雅紀は少しだけ顔を上げて、
でもやっぱりまだ機嫌悪そうに言った。

重ねていた手をギュッと握る。


肌の触れている部分から、雅紀の心苦しさとか
考えてることも全部伝わってきそうで。

何故か俺まで怖くなった。

1番怖くて悲しいのは、雅紀のはずなのに。


俺は決心して口を開いた。


「潤ともシたいんだ…雅紀たちみたいに。
でも、潤はちょっと厄介で…

それで、雅紀にも手伝ってほしいな…って…」


雅紀は少し怒ったように、
立ち上がって風呂を上がっていった。


やっぱり…ちょっと無理があったかな…


確かに、まだ2回しかヤったことのない
雅紀に頼むのもおかしな話だ。


1回、俺だけでチャレンジしてみよう。
潤は少し手強いかもしれないけど…


俺なら…大丈夫。


俺は雅紀を追って風呂から上がった。


雅紀は寝室にいた。

まだ怒っているのか、
布団にすっぽりと埋まっていた。


「…雅紀…」


俺は雅紀に近づいてベッドの横にしゃがみこむ。

布団の上から雅紀の頭を撫でる。


胸がズキンと痛んだ。


ゆっくりと布団を捲ると、
雅紀は目を閉じて気持ち良さそうに寝ていた。

俺はそんな雅紀に向かって微笑み、
その瞼に優しくキスを落とした。


ベッドに入り、雅紀をギュッと抱いて
俺は深い眠りについた。

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