テキストサイズ

×××だけのプリンス

第3章 S&M ファイナルゲーム

「なんか最近、変わったよね。みんな。」


楽屋で話していた時の潤の言葉。


「忙しいのかな?よくボーッとしてる。」


潤はそう言って周りを見回す。

顎に手を当てて何か考えている。


「…寝不足かな?でも、翔くんと話すと
みんなシャキッとするよね(笑)」


なんでだろ…?

そう言い潤は不思議そうに首を傾げた。


「やっぱ翔くんはそういう人なんだよ!(笑)」


答えになってないから…

そう苦笑した俺に、
潤は満面の笑みを向ける。


「ありがと(笑)」


今日の潤は珍しく俺によく懐いた。

というより、空元気な気がした。


今日ならいけるかも…

このチャンス逃したら次はない…


俺は思い切って潤を誘うことにした。


「潤…今日、飲み行かない?」


軽く誘ったフリをして、
でも潤の目はしっかりと見つめる。

潤の首が縦に動く。


「あぁ、いいよ。今日みんな仕事で、
暇してたんだよね~(笑)」


ナイスみんな!

俺は心の中で感謝の言葉を投げかけながら、
頭では潤のことしか考えていなかった。


潤は、最初から宅飲みだと怪しまれるから
飲んだら帰りたがらない潤の性格を利用する。

居酒屋でいっぱい飲ませて、
まだ飲みたいって言い出した時がスタートだ。





潤は、俺の予定通りの動きをしてくれた。


「潤?もう帰ろっか?」
「しょおくーん、いいじゃんまだ飲も~?」


潤はそう言いながらだらしなく俺の肩を抱く。


「でも…」
「しょおくん明日オフでしょ。知ってるよ?」


あぁこの感じ…

潤の方が俺のこと帰さない気だな。


いつもなら少しうるさい潤の引き止める声も
今日だけは俺の背中を押すものでしかなかった。


「じゃあ…俺ん家で飲む?」
「翔くん家っ!?行く!!絶対行く!!」


潤の瞳が、いつもより
キラキラしてる気がした。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ