テキストサイズ

×××だけのプリンス

第3章 S&M ファイナルゲーム

完全に酔いつぶれている潤は
ベッドでもソファでもなく、
床の上に転がるように寝ている。

ほっぺをつんつんと突っついて
起きないことを確認してから潤を抱える。


でもさすがに、他の3人とは違って
どっしりくるものがあったから
無理やり引っ張って
なんとかベッドの上に連れてきた。


潤の上に跨がり、お洒落な服のボタンを
1つずつ外していくと綺麗な胸板が露わになる。

スーッと身体に指を這わせると
潤が身動ぎうっすらと目を開けた。


「…翔くん?」


まだ頭が働いてないようで
ずっと俺を見つめている。

その瞳に吸い込まれるように顔を近づけると
潤は急にバッと目を見開き、
俺はベッドの下に転がり落ちていった。


ようやく状況を理解したようで
潤は周りを見渡し立ち上がった。

俺もベッドから立ち上がり潤の方へ向かう。


「潤…シよっか。」


壁の端に追い込まれた潤は
精一杯俺の胸を押して拒否する。


「いやいや、男だよ?俺。翔くんどうしたの?」
「どうもしないよ。…ね?シよ…?」


俺は潤の胸に手を添えた。

潤はビクッと身体を揺らし、唇を噛む。

そのまま下の方へずらし、
ベルトに手をかけた。

でもその手は振りほどかれた。


「ちょ、やっ、待って!俺、帰るから…!」


潤は開いたボタンを留めながら
荷物を全部持って出て行ってしまった。


あぁ…やっちまった…

と瞬時に悟った。


潤の出て行ったドアの音が虚しく響いた。



やっぱり無理やりはダメだ。

もっと計画的に。俺らしくやろう。


そう心に誓い、他の3人に
片っ端から電話をした。




「明後日、空いてるよね?
潤と飲みに行ってくれる?俺だと…ね?」


その電話先は雅紀。


雅紀は唯一俺の計画を知っている。

だから1番信頼してるし、
あいつは俺にぞっこんだから
潤に手出したりなんかしないだろう。


「時間とか決まったら教えて?
あと、場所は雅紀んちね?」


そう付け足して、俺は一方的に電話を切る。


明後日に雅紀んち。

そうと決まれば準備しないと…


俺は電話を切ってホーム画面に戻った
スマホを見つめながら、静かに妖笑った。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ