君の愛しい玩具
第1章 我が儘な王様
「では、早速―――…」
店員に、促され―…僕は、何が何だかわからないまま…
フィッティングルームに案内された――…
小さい頃…メデル君と騒いで…旦那様に注意された事を思い出す―――…
「あの…、僕はこちらにお世話になるような服は…着ませんけど…庶民なので…」
僕は、店員に何かの間違えではないかと聞く…
ここを利用するのは…
僕ではなく…メデル君だ―…
「いえ…メデル様から…
花田 (ハナダ)―――…愛(アイ)様の体の寸法を図る様にとご予約が…」
「花田…“あい”じゃ…ないです…
“愛”と書いて…“いとし”と…読むんです…僕――…」
店員は、何度も確認表を見ては…僕に頭を下げた!!
「申し訳ございません!!」
「あ、大丈夫です…
メデル君と字が一緒ってだけでも、ややこしいのに―――…
僕もまた…読み方にひねりがあるタイプでして――…スミマセン…」