君の愛しい玩具
第4章 獅子の崖
■長瀬視点■――――――――――…
な…なんだ?
花田が財御侍の後を…慌てて附いて行く姿を見て――…
心配して…二人を追った!
すると、財御侍が花田の腕を掴み…トイレへと消えた…
連れションか?と…気にしていなかったが…
何故か…花田の顔が脳裏から離れない!
怯えていた…様な…
トイレに附いて行くのも…変だし…二人が出てくるのを待った―――…
が、しばらくして…出てきたのは…財御侍だけで…
花田は出て来なかった…
財御侍は、一人そのまま玄関の方へ消えていった…
「…花田…は?」
俺は、気になり…トイレを覗いたが…
個室の中に居るのか…
花田の姿は無かった…
「――…メデル…君の…バカ…」
ドキッとした―…
個室の中から…花田の声が、かすれて聞こえた…