テキストサイズ

第11章 I4U

千晃side






昨日とはうって変わって,音がない静かな部屋





何度も寝ようとしたけどその度にさっきのことを思い出し,震えが止まらなくなる









ほんとは,助けてほしい


みんなの温もりが,優しさが欲しい







けれど,今はみんなの事さえもあの男たちと重ねてしまう







同じ空間にいるのが怖い









布団に潜っていると,ドアの外から女の人の声が聞こえた




誰が先生を呼んだのだろうか



余計,面倒なことになる







先生が部屋に入ってきたけれど,背を向けたままでいた







宇「千晃ちゃん…ここにある服…」



きっと,破かれた服のことを言っているのだろう





宇「千晃ちゃんの気持ち…わかるよ」





その言葉にむちゃくちゃ腹が立った


私の気持ちなんて分かるはずがない






千「先生に…何がわかるんですか…」

宇「私もね,千晃ちゃんと同じくらいの頃,レイプされたことあるんだよ」





その言葉に耳を疑った






宇「私も高校は,千晃ちゃんと同じようにほとんど男子の学校に進学したの。仲がいい男子もいたし,彼氏もできたんだけど。彼氏に嫉妬した先輩が,私を体育館裏に連れてってむちゃくちゃに壊したんだ(笑)」




そんな痛い思い出を,なぜこんなに笑顔で話せるんだろうか

最終は嘘にしか聞こえなかった





宇「そのときは私も精神状態おかしくて。怖くて夜も寝れなかったし,彼氏とも一切連絡とれなくて。男子と話したくなくて,授業終わったらすぐに女子トイレに駆け込んで泣いてた。一度男子に恐怖心を抱くと,仲いい人のことも重ねちゃうんだよね…みんな同じだ…って。」






今まさに,昔の先生の出来事と同じ気持ちにある




いつの間にか,先生に心を開いていた

ストーリーメニュー

TOPTOPへ