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第11章 I4U

秀太side







宇野先生が部屋に入ってからしばらくして扉が開いた




まあ無理だろうな…と思ったそのとき





先生の後ろから,千晃がゆっくりと出てきた






みんな,開いた口が塞がらない…といった状況






宇「どうもお騒がせしました〜!じゃあ私はこれで!あんまり夜遅くまで起きてないでしっかり寝てね!明日はいよいよ海よ〜!!」




そう言うと宇野先生は出ていった







長い長い沈黙が流れる





どうしたらいいかわからず困惑していると,千晃が口を開いた






千「ごめんね…心配かけて……」


千「わ…たし……キスしたこともなかった…のに……犯…され…ちゃった…よ……っ!」




無理に笑ってるのが痛いほどわかる





秀「なんで…なんで自分の体売るようなことしたんだよ!!!!」


日「秀太落ち着け」


秀「千晃と同じ部屋だった女に聞いた。…男たちに黙ってついていけば…俺たちが呼ばれるだけで済んだのに…」


真「秀太…千晃…それ…ほんまなん…?」


日「なんでそんなこと………」


千「……」


西「ひとりで…受け止められる訳ねえじゃん…何考えてんの……」


秀「なんとか言えよ…」




こんなこと言いたくて千晃を待っていたわけじゃないのに

やり場のない苛立ちをどうしても千晃にぶつけてしまう






千「ごめんなさい…本当に…ごめん…ごめんなさい……私のせいで…こんなことに…本当にごめ…」




震えながら泣きじゃくる千晃



堪えきれなくなったのか,西島が千晃を抱きしめた





西「千晃は何も悪くない…俺らが悪い…あやまんなくていいから……」


千「…にっしー…っ…」


西「生きててくれてよかった…ほんとに…」






西島のその言葉に,ようやく正気を取り戻した





千晃が今欲しいのはきっと,人の温かさ






そう気付かされた

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