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第11章 I4U

千晃side







全クラスが集まる朝食会場に着く





この中に,私を襲った人がいる





そう思うと怖くて足が進まなかった






西「千晃,ほら」





私の様子に気づいたのか,手を差し出してくれる





千「にっしー…ありがとう」


浦「ほら!配膳行こうよ!!」


真「お腹空いたわ〜」






そんなことを言いながら並ぼうとしたとき






本来なら同じ部屋だった響生と瑞穂と…目が合った





一気にこれまでのことを思い出す






響「あ…」


千「いや…こないで…」






それに気づいたにっしーが,私の手をぎゅっと握り返してくれた






西「おはよう」


瑞「おはようございます…」


西「なにか用?」







瑞穂と響生が顔を見合わせてひとつ頷くと,ゆっくりと私の目の前に歩み寄る




それが怖くて,少し後ずさりをする






瑞響「ごめんっ!!!」


千「…え?」


響「あの後…考えたんだ,いろいろ」


瑞「伊藤さんには酷いことしちゃったよね」


響「誤って許されることでもないんだけどさ…やっぱり私たちも後味悪くて…」


瑞「それに昨日も…うちのグルが最低なことしたって聞いたから…」


響「本当にごめん。すごく反省してる。」


瑞「これからは,伊藤さんの1人の友達として…出来ることがあったら協力してあげたいんだ」





この前の荒っぽい口調とは反対に,優しい声でそう話してくれる2人





千「昨日の夜も…全然寝れなかったし,今も男たちが近くにいるって思うと怖くて仕方ない。許したくても…許せないの。」


響「そう…だよね…」


千「でも…謝りに来てくれた。それだけでだいぶ救われた。ありがとう。」


瑞「こちらこそありがとう…。」


響「上の人たちがなにか計画立ててたりしたときはこっそりメールするから。」


千「わかった,ありがとう」




2人と,笑顔で握手を交わした





瑞「それから…みなさんにもご迷惑おかけしました。すみませんでした。」


真「…どーするん?」


秀「こんど傷つけたら許さねえからな。それだけ。」


日「うん,俺も同じく」






なんだか少し,心があったかくなった

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