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第11章 I4U

秀太side





ふと千晃を見ると,さっきまで隠れていた跡が目立つようになっていた




涙ぐみ,不安そうな顔をする千晃




今からタオルを取りに行くべきか




けれど,これだけ人がいたらすぐにバレてしまう





秀「ごめん千晃,少しだけ我慢して」




覚悟を決めて,千晃をぎゅっと抱きしめた





そうすれば,周りからは跡は見えない





千「ちょ…秀ちゃん!!」


西「え,秀太お前…!!何して…」


秀「タオルもってこい!!!はやく!!!」


浦「わかった」





いちはやく理解した直也くんがパラソルの元へ走る





互いの心臓の音がうるさい




好きな人が自分の腕の中にいる





しかも,露出の多い水着姿で



肌はさらさらとしていて,柔らかくて



いつも小さな千晃が,余計に小さく見える



目を潤ませながら俺の方を向き



目が合うと恥ずかしそうにそらす




俺の理性はぶっ飛ぶ寸前だった






浦「タオル持ってきた!!」






ゆっくりと千晃から離れ,小さな体に優しくタオルをかける




秀「ごめん,ちょっと離れるわ」

日「集合時間までには戻ってこいよ,あとスマホ持ってって」

秀「わかった」





千晃のパーカーと自分の上着を手に取り,奥にある岩場へと連れていく




丘のようになっているところに登り,千晃を隣に座らせる




千「わぁ…綺麗…」




オレンジ色の夕日が海を照らしていた



地平線がよく見える,素敵な場所だ

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