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第11章 I4U

秀太side





千「秀ちゃん…」



こんなときでも俺を呼ぶ声を可愛いと思ってしまう


秀「どうした?」

千「痛いよ…痛い…」



痛みがピークなのか,泣きながら訴えてくる

優しく抱きしめ,触れるか触れないか程度の力で千晃のお腹をさする

でも,触られると痛いのか,少し体をよじる




秀「痛み止めとか買ってこようか?」




ゆっくりと千晃から離れようとすると,千晃にシャツの袖を掴まれる




千「やだ…1人は…」




もう理性を保つのに必死(笑)

日曜日まで耐えられる自信がない




秀「…わかった,ここにいる」

千「秀ちゃ…」

秀「ん〜?」

千「わたし…今…みんなを……」

秀「みんなを?」

















千「みんなを…秀ちゃんを…苦しめてる…?」




























その言葉が胸に刺さった

千晃が俺たちに黙ってた理由は

俺たちを苦しめたくなかったから…?




秀「なんで…そんなこと…」

千「この前…海のとき…」




合宿の海のとき

たしかに俺は,千晃を守れなかったことが涙が出るほど悔しくて苦しかった



秀「千晃まさか…そんなこと気にして…」

千「…みんなの苦しい顔…見たくなかった…だから…」



自分の言った言葉の重みにようやく気づく

自分のせい

全て,自分が千晃に伝えたこと


言葉が出なかった





千「秀ちゃん…どうして泣くの…やっぱり私…」



千晃も目を潤ませる



秀「…俺たちが悔しいのは…大切な人を守れなかったときで…俺たちか苦しいのは…大切な人が苦しんでる姿をみたとき……」

千「…秀ちゃんは…今…悔しい…?」

秀「すごく悔しい」

千「秀ちゃ…は…今…っ…苦しい…?」

秀「すごく…苦しい…」

千「ごめ…っ…ごめんね…秀ちゃん…わたし…みんなのこと…全然…」

秀「わかってくれればそれでいいの」




優しく千晃の頭を撫でた

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