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第11章 I4U

千晃side





気がつくと,ここはベッドの上

消毒のツンとした臭いが漂う


そうだ…私……

考えるとまた頭がズキズキと痛む




宇「あ!千晃!目が覚めた?」

千「宇野ちゃん…」

宇「もう昼休みのチャイムは鳴ってるから,ご飯食べれそうなら戻ってもいいよ?」

千「うん,わかった」

宇「…それより。千晃,ちょっと溜め込みすぎじゃない?」

千「え…?」

宇「千晃が発作起こすのひさしぶりだって聞いたんだけど。どうしたの?」

千「みんなと一緒にいたけど,なんかひとりだなぁ…って思って…」

宇「ここに運んできてくれたの,末吉くんなんだよ」

千「…え…?なんで…秀ちゃん…?」

宇「千晃が過呼吸起こしたのもいちばんに気づいて,応急処置してくれたって」

千「…なにそれ…わけわかんないよ…」

宇「あ!ちょっと千晃!」







宇野ちゃんの言葉を無視して走った

あんなに冷たかった秀ちゃんが

いちばんに助けるなんてありえない

それにどうして…








無我夢中に走って着いたのは屋上


地面にはまだ,あのときの血が残っていた



それだけでまた思い出す

息が苦しくなる





日「千晃!?」

千「ん…はぁ…」




だっちゃんが背中をさすってくれて,なんとか過呼吸まではいかずにすんだ





日「千晃,悩んでることあるんだったらきちんと言えよ」

千「…」

日「大丈夫,誰にも言ったりしないから」







私はだっちゃんに全てを話した



秀ちゃんが冷たくなったこと


秀ちゃんと距離ができてしまった原因を見つけられないこと


孤独を感じること


"好き"という気持ちがよくわからないこと





全てを話すと,だっちゃんは笑いながら頭を撫でてくれた

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