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第11章 I4U

西島side





千晃に告白したときから気づいてた



こいつが"恋"を知らないってことくらい




だから,千晃が自分の気持ちに気づくのも




秀太が自分の気持ちに正直になるのも





全部時間の問題だなって







西「千晃ちゃ〜ん」

千「ごめんね,呼び出しちゃって」

西「体調,よくなった?」

千「うん!おかげさまで…」

西「そっか。よかった。」




千晃の目が潤んでいるのがわかる

でも,もう俺は涙わ拭いてあげられない





千「あの…ね…わたし…」

西「うん」

千「にっしーの気持ちには…答えてあげられないの…」

西「…」





いざ言われるとやっぱりぐさっとくる






千「わたしね…恋…を知らなかったの。人をすきになることが辛いとか…苦しいとか…」

西「うん」

千「でも…やっと気づけた。好きな人が…できたの…」

西「そっ…か…」

千「にっしーにはたくさん助けてもらったし…すごく頼りになった。沢山デートできて楽しかった。でも…」

西「でも…?」

千「このままっ…自分に嘘ついて…にっしーと付き合うのは…にっしーにも…失礼っ…で…だから…」

西「…もういいよ。全部知ってる,気づいてた。」





これでほんとに最後にするから


せめて抱きしめることくらいさせてください


こんな俺を許して






千「ごめん…ねっ…ありがとう…」





夏休み中もデートに行って

2人で遊園地を走り回ったり

ショッピングモールでたくさん買い物したり

海に行ってはしゃいだり

思い出がたくさんできた






でもね



貴女は気づいてましたか


貴女の口から




"好き"





その言葉は,1度も出ることがなかったんだ


貴女の愛の言葉を


1度でいいから聞いてみたかったな


もしも来世があるのなら


誰よりも先に貴女を奪いに行こう






千「わたし…先に…戻るね」

西「うん。頑張れよ」

千「じゃあ…また…」





むかつくほど眩しい空に



"大好きでした"



そう言葉を残した

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