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第11章 I4U

秀太side




千晃と話していたときに近づいてきたひとりの女




友「ひさしぶりだね,秀太」





それは,紛れもなく,友香里だった


隣町の中学とはいつも部活で親善試合をしていて


こいつはそこのサッカー部のマネージャーだった



会うたびにしつこく絡んでくるこの女が俺は大嫌いだった





秀「先に言っとくけど,俺には千晃がいるから。」

友「その千晃のことで秀太に教えないと行けないことがあるんだけどね〜?(笑)」

秀「嘘なら聞かねえよ」

友「後で傷つくのは秀太だよ?(笑)」

秀「…なに?」












友「千晃にはね…中学からめちゃくちゃ仲が良かった彼氏がいんの」











秀「…あのなあ,嘘なら…」

友「この前の日曜,デートの誘い断られたでしょ」






たしかにその日は祖父の墓参りがあるからデートには行けない,と断られた日







友「その日,千晃は彼氏とデートしてた」

秀「…ほんとかよ,それ」

友「私も止めた。こんなことよくないって。秀太を悲しませるだけだって。でも千晃は聞く耳を持たなかった。…秀太はただの"道具だ"…って。」









あんなに友だち思いの千晃がそんなこと言うはずないのに


この時の俺は平常心を保てなかった


友香里の言葉を…鵜呑みにしてしまった







千「秀ちゃん!友香里!お待たせ!」


秀「…」


千「秀ちゃん?」


友「秀太,もう戻った方がいいよ」


秀「…あぁ」


千「え…?秀ちゃん…友香里…?どうして…」


秀「気安く呼ぶなよ」


千「…どうしたの…わたし…」


秀「お前とはもう付き合えない。こっちから願い下げだ。」






そう冷たく言い放ち,みんなの元へ戻った









ごめんな,千晃




彼氏のくせに,千晃のこと信じてあげられなくて





真実を探ろうともせず逃げた俺を許して

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