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第11章 I4U

千晃side






何が何だかわからない


どうして私は泣いてるのか


なんで秀ちゃんは私に別れを告げたの?


それになんで友香里は…


なにもかもがわからない


また息が苦しくなる


気がつけば,家まで歩いてきてた


スマホにはたくさんの電話とLINE








愛想つかれた?私がひどいことした?





最初から…遊ばれてた?










次の日から私は学校に行けなくなった



食事も取れなくなった



母「千晃?体育祭…行けそう?瑞穂ちゃんと響生ちゃん,迎えに来てくれてるよ」


千「……」


母「…学校に連絡しておくね。お母さん,今日も仕事で少し遅くなるから…。ご飯は机の上に置いてあるから,食べれそうだったら温めて食べてね」





今日も着信は鳴り止まない


そりゃそうだ


みんなの前で歌うために衣装だって作ってもらって


みんな演技だって頑張ってくれた


選抜リレーや二人三脚にも選んでもらって


騎馬戦では大将


それなのにいきなり休んで許されるわけない


自分の気持ちを優先させていいわけないのに







私はどこまで最低なんだろうか






手首にはリスカの後がいくつもある





苦し紛れに何度も死のうって思ってナイフを当てた





でも,結局死ぬ勇気なんてどこにもなくて






どんどんダメな方向に溺れてる






でも,こうでもしないと今日を生きていけないんだ







宇「千晃!?何してんの!?」







振り向くと,学校にいるはずの宇野ちゃんの姿があった





次の瞬間,宇野ちゃんにナイフを奪われ,右頬を強く叩かれた





宇「千晃…ここで逃げちゃだめ…」






泣きながら私を強く抱きしめてくれた




人の温もりを感じたのはいつぶりだろうか





枯れるほど出した涙がまた溢れ出した

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