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第6章 Still love you

((西島side))







家に帰っても梓の姿はどこにもない








数日経っても,慣れるどころか寂しさが募る








梓がいないせいか,部屋はいつもよりも広く見えてしまう







そのせいか,強い孤独感が押し寄せるようになった








布団やクローゼットには梓の香りがまだほんのりと残っている







会いに行こうと思えばいつでも会える








理容室に行けばいつも通り働いているし








家だって知っている








でも,正面から向き合ってふられるのが怖かった








もう既にふられたようなものだけど








まだどこかで,たった1本の細い糸で繋がっている気がする







それを壊したくはなかったから








足を踏み出せずにいた

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