虹
第9章 ココア
" いえ…こちらこそ本当にすみません…スーツもよごしてしまって… "
「スーツなんて気にしないで?」
" 弁償…します…よろしければお名前と連絡先を… "
「これ以外にもたくさんあるから」
" せめて…せめて、こぼしてしまった部分の染み抜きをさせていただけませんか…? "
「大丈夫だって(笑)」
" このまま帰るのは本当に申し訳なくて…10分ほどでできますので… "
「…わかった。お願いします。」
そう言うと彼は立ち上がり、周りの人の方を向いた
「ほかに済ませたいこともあるんだ。夜までには戻るから先に帰っててくれ」
B 『わかりました。お気をつけて。』
みんながいなくなってから、2人で歩きだした
偉い人と聞くと余計に緊張するけど、この人は優しそうだから少し落ち着く
「お腹、空かない?」
"あ…少し…"
「じゃあ食べて行こうよ!」
" え…いいんですか…? "
「遠慮してる?(笑)」
よく見ると、顔も整っていてかっこいい
「そういえば名前聞いてなかったね、なんていうの?」
" 松永 圭と申します "
「けいちゃんか…素敵な名前だね。俺は浦田直也っていうよ」
" 直也…さん…"
「あ、タメ口でどんどん話しかけてもらって大丈夫だからね!」
" わか…った…です… "
「かわいいっ(笑)」
やばい…心臓がうるさいよ…