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第9章 ココア





「ここだよ」





直也さんに案内されたのは、お洒落な和食のお店



和食好きの私には最高すぎる







「けいちゃん、和食好きでしょ?」


" うん!…でもなんで知ってるの? "


「なんとなく好きそうだなって思って。外れたらどうしようかと思った…(笑)」


" 大当たりだよ!!(笑) "






個室の席についてから、ハンカチやティッシュを取り出した




コップの水を少しつけて、丁寧に押さえていく





時間が経ってしまったため落ちにくいが、できるかぎり汚れを落としていく





「染み抜きできる人、初めて見たかも」


" こんなことしかできないから… "


「染み抜きなんて、どこで覚えたの?」






…染み抜きができるようになった理由





思い出したくもない話だ







" …うっ…っ…ん… "


「…けいちゃん??」






気づいたら泣き出してて…
直也さんに抱きしめられて、背中をさすられてた





「…落ち着いた??」


" ごめっ…ん…なさい… "


「謝ることないよ。ここのご飯本当に美味しいから、食べたらきっと元気でる。さ、食べよ?」


" うん… "







迷惑ばっかりかけて、おまけにいきなり泣き出して




最悪な女だよね、私…





「ん〜!美味い!ほらけいちゃんも!」






しぶしぶ目の前にあるお魚に手をつける






" ん…優しい味…美味しい… "





なんでだろう


また涙がでてくる






「けいちゃん…」


" ごめんっ…おいしっ…すぎ…て…"


「…1人で抱えてても、いいことないよ?今日会ったばっかりの人間に話せるようなことじゃないとは思うけど…できるなら、けいちゃんの支えになりたい」







真っ直ぐな瞳でゆっくりと話す直也さん


この人になら、話してもいいかなって思った

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