虹
第9章 ココア
"…中学の頃、いじめられてたの。親友がいじめられてるのをかばったら、次の日からいじめられるようになった。親友もいつの間にか…いじめの主犯になってて…っ…それで………"
「急がなくていいよ。ゆっくりでいいから…全部捨てて楽になろう」
小学校からの親友がいじめられるようになった
私は、自分への影響など恐れずに立ち向かった
親友がいれば、何も怖くないと思ったから
でも、その子は、
私をいじめてくる主犯になった
それから卒業するまでずっと、学年全体からのいじめは続いた
ジャージが汚されるなど日常茶飯事
髪を切り裂かれたり、上靴に画びょうを入れられていたり
カッターで深く切りつけられたこともある
左手の甲には、そのときの傷が今でも残っている
親にもこのことは知られたくなくて、必死に隠し通す毎日だった
汚れを落とすために、どうやったらうまく汚れを落とせるのか、染み抜きを自分で研究した
それが、今に繋がっているのだ
みんなに勝てるものは、勉強くらいだった私
みんなを見返したくて、必死に食らいついた
勉強に集中している間だけは、いじめられていることを忘れられた
こんなところ、はやく出たいと思い、東京にある高校を目指して必死に頑張った
そして、今に至る
過去の友人とは一切、連絡はしていない
「そんなことが…」
" ごめんね…重いよね…(笑) "
「無理して笑わないでよ」
直也さんの、苦しそうな、辛そうな顔
なんであなたが…そんな顔をするの…??