虹
第9章 ココア
「けいちゃんは…誰よりも強いよ」
" え…? "
「いじめを恐れなかった。毎日学校に通い続けた。親御さんにも、誰にも言わずに耐え続けた。強すぎるよ、本当に」
強いなんて、思ったことなかった
「でも、溜め込むのはよくない。俺でよければいつでも相談に乗るし、支える」
それから連絡先を交換して、店を出た
「ごめん、ちょっとトイレ行ってくるね。待っててもらっていいかな?」
"うん、ここでまってる "
直也さんに出会えて、よかったな
心があったかくなるのがわかる
『あっれぇ〜〜〜???』
誰かの甲高い声が聞こえた
顔をあげると…
今1番見たくなかった、親友たちの顔があった
A『これはこれは、東中の元成績トップの松永 圭さんじゃあ〜ないですかぁ〜』
" なんで…ここに… "
B『修学旅行で来てみたら、会えるなんてね〜』
C『そうだ、お土産あげるよ。手、出して?』
素直に手を出すと
ハサミを思いっきり手のひらに刺された
" いっ…たあ!!!!!!…っ…はぁ… "
A『ほんと、単純なのは変わんないんですねぇ〜』
B 『だいぶ髪も伸びたみたいですし??』
C『あ、切ってあげる?せっかくだから』
刺さっているはさみを思いっきり抜かれる
その拍子に手からは血が溢れる
立っていられないほど痛い
B『おら、はやく行くぞ』
髪の毛を掴まれて、トイレに引きずり込まれそうになる
直也さん…助けて…