虹
第10章 LOVER
『令、西島さんはどう?』
" …わかりやすいよ "
『あなたも育(ナル)を見習って、志望校なんかよりも上の学校を目指しなさい。東大のお姉ちゃんを持ってるのよ。自覚してちょうだい』
出た、また育ちゃんと比べる
なるちゃんは現役東大生
いっつもそう、何においても比べられる
なるちゃんもお母さんもお父さんもみんなで私を責めたてる
" 育ちゃんは関係ないじゃん "
『あなたまたそうやって。お母さんは心配してるのよ?あなたのことを思って言ってるの』
" 私を…おもって…? "
『そうよ。』
馬鹿らしい
私の気持ち何もわかってないくせに
" ふざけないでよ。私の気持ち何もわかってないじゃん。もういい。 "
2階に駆け込んだ
鍵を閉めて、ベッドに飛び込む
そのタイミングでスマホに1件のLINEが届いた
西 : 令ちゃん、西島です。今日はお疲れ様!
これだけのLINEなのに、一気に安心感が溢れる
なぜか、西島さんともっと話したいと思った
次の日から西島さんは、夜までうちにいることになった
「令ちゃん!こんにちは!」
" 西島さん… "
「あ、その"西島さん"ってやめよう?(笑)西くんって呼んでよ!それから、今日からはタメ口!」
この気軽な感じ、すごく落ち着く
「そういえば、令ちゃんはどこの高校に行きたい?」
その話で昨日、母と言い合ったばかり
なんて答えようか迷っていると、西くんはくすっと笑った
「行きたい高校、あるんでしょ(笑)」
" うん…あるんだけど… お母さんが… "
「お母さん?」
" お姉ちゃんが東大生なの。それで、あなたもお姉ちゃんみたいにならないといけないって "
「そう…なんだ…」
" だから、もっと上を目指してもらわないと困るって "
「…でもさ、それって違くない?」
" …え? "