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第10章 LOVER



「価値観とかは人それぞれだから、意見の食い違いは生まれて当然だけど、誰かの為に自分を犠牲にするのはおかしい。令ちゃんは、もっと自分の意思を尊重するべきだよ」


" でもそれだと… "


「お母さんなんて関係ない。令ちゃんの人生は令ちゃんのものなんだから!」









なんだろう

この人は心を読めるのかなってくらいすごい人







「今日の夜、お母さんが帰ってきてから志望校についてお話をしようと思ってる。自分の気持ちを正直に伝えればいいから」








そういうと西くんはぽんぽんっと頭を叩いて、着ていた上着をイスにかけた







それだけで胸がいっぱいになる





こんな近い距離で、こんなかっこよくて






恋をしないほうがおかしいと思う









『ただいま帰りました〜!』


「こんばんは、お疲れ様です」


" おかえり "







3人揃ったところで、面談を始めた






「まず…お母さんの希望はありますか?」


『八代高校か第三高校に行かせたいと考えています』






昨日嫌だって言ったばっかりなのにな






「それは、どのような理由でしょうか」


『令の上にも20歳の娘がいるんです。その子は八代高校から東大に進んだので、学校のことはよく知っています。令にも、姉のように頑張ってほしいとおもっています』







私はお姉ちゃんみたいにはなりたくない



なるちゃんはお母さんそっくりだもん






「わかりました…。じゃあ、令ちゃんの志望校は?」




私の…志望校は…


西くんをちらっと見ると、応援してくれているのか、頷いてくれた







" 私は…

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