虹
第10章 LOVER
西くんはいつものようにやってきた
「令ちゃん、勉強進んでる??」
" うん "
嘘、ぜんぜん進んでない
西くんにどんな風に渡そうか考えるので頭がいっぱいだった
「あれ、これ、チョコ?」
西くんの目線の先には、これから渡すつもりだった本命チョコの入った紙袋
" や…!あの…それは… "
ここまで考えておいてこんなことになるとは…
隠しておくの忘れた…馬鹿だ…
「令ちゃんさては…好きな子いるんだな…??」
"…え?"
「どんな子かわかんないけど、応援してるよ!令ちゃんならきっと両思いだ!」
気づかないでくれたのはありがたいけど
一周まわって振られたような気分だ
完全に泣きそう…
雨の中、思わず家を飛び出した